「セリフが間延びしているなあ」「そこ、立ち位置が違うかも」――。団員同士、率直な意見をぶつけ合うのは、横浜市戸塚区内で活動する「劇団年輪」だ。
　同団には、10代から60代まで約20人の区民が所属しており、現在、各々が学業や仕事と両立させながら、８月５日（日）に行われる定期公演に向けて日々稽古に打ち込んでいる。

「オリジナル」に主眼置く

　同団は１９７５年、児童演劇の指導者を務めていた入内嶋（いりうちじま）周一代表を筆頭に設立。当時は区が地域住民に対し、文化を広めようとする気運が高まっていたという。入内嶋代表は「その一環として行われたプロの公演に刺激を受けた」と発足のきっかけを話す。

　当初のメンバーは４人。初心者が多いなか「技術よりも心のこもった芝居」をモットーに、厳しい稽古を重ねた。周囲へ呼びかけ団員を増やし、着実に力をつけ、これまでＳＦや青春ストーリーなど様々なジャンルの舞台を経験してきている。

　２００１年からは、脚本の創作も開始。観客により楽しんでもらおうと、オリジナルの歌やダンスも制作し、劇中に取り入れている。「特に歌は、物語の主題を上手く表現してくれる効果がある」とポイントを指摘する。
　５日の公演では、「親の愛と子どもの成長」をテーマに書き上げた台本をもとに、団員が日頃の成果を披露する。

　会場は戸塚公会堂で、開演は午後２時半（30分前開場）。チケット代は大人９００円、小学生５００円。問合せは入内嶋さん【電話】０４５・８１２・５６８９。

過去の公演のワンシーン