区内106の町会・自治会が加入する「麻生区町会連合会」。その中の「細山町会」は昨年9月と、10月に防災訓練を実施した。自治会町会向けのSNS「いちのいち」の活用訓練や、東日本大震災で被災した町内会員を招き、地震発生時の状況や対処方法について学習。情報収集・発信を模索する。
2回に分けて実施された今回の防災訓練。第1次は、昨年に続いて「いちのいち」を活用。安否確認や、周辺の状況報告などを時系列に合わせて行った。
第2次は、新百合ヶ丘総合病院救急チームによる「災害時の疾病対策」実演と、同町会在住の東日本大震災の体験者を招き、細山町会と似た立地や環境下の地域の震災時の状況、町会、個人がどのように動き、対処していたかなどの講話を聞き、教訓を学んだ。
今回の訓練の目的は、防災計画の見直しと自主防災組織の再編。今後30年で発生すると言われている震度6相当の地震を想定し、町会としての共助、個人の自助を「リアル」に体験することがテーマだった。
防犯・防災部会長を務める梅原幸一郎副会長は「参加された方からは概ね好評だった」と手ごたえを口にする。今後は、「いちのいち」については役員、理事、班長経験者のみの登録をさらに増やしていくと同時に、HPを開設し、行政からの資料などを格納、整理していく。第2次訓練で得た情報を具体化し、冊子や映像に残して配布。加えて、近隣の地域との連携を図っていくことを目指すという。
一方で、課題として挙げたのが情報の収集・発信。これまで同様に掲示板、回覧板、チラシの配布だけで町内会全世帯に情報が届くのか。被災時の個人情報の取り扱いはどうすべきか等々。白井基雄会長は「町会の方々にどう目を向けてもらうか。ガバナンスをどうつくっていくか今後検討していきたい」と語る。梅原副会長は「リアルな訓練を続けていきたい」と抱負を語った。