10代の献血者が減少傾向にある中、市立川崎高校(川崎区中島)の2年生が、同世代の献血者数を増やそうと総合的な学習で取り組みを進めている。献血の手順を伝える動画の作成や景品が当たるクイズなど、関心を高めてもらおうと知恵を絞っている。
10代の献血離れが進む
神奈川県赤十字血液センターによると、10代の献血者数は2024年度までの5年間で約17%(約2600人)減少しており、献血離れが進んでいる。全国的にも若年者層の減少が続いており、将来、輸血用血液の供給が不安定になると懸念されている。
実際に献血を体験
同校の2年生は、総合的な学習の時間を利用し、社会課題の解決を目的に「ゼミ形式」の授業を行っている。献血について取り組んでいるのは中嶋航太郎教諭の元で活動する中嶋ゼミの生徒たち13人。2023年4月に生徒一人の発案から活動を始めた。
まず、生徒と教職員を対象にアンケートを実施。その結果、献血できる年齢を知らないという回答が多いなど、血液や献血の知識不足が献血離れの理由だと考えた。ゼミ長を務める東島玄治さん(17)は「献血する場所を知らない、恐怖心があるという人も多い。情報や魅力を発信すれば協力者は増えると仮説を立て考え始めた」という。
生徒たちは実際に献血を体験し、赤十字血液センターの職員からレクチャーも受けた。また、献血推進活動に取り組む市議会議員にも話を聞きに行くなど積極的に活動してきた。
9月文化祭で献血車も
学んだことを形にしようと、献血ルームの写真や場所を伝えるチラシやポスターの作成、景品が当たるクイズラリーを企画中。また、献血年齢に達していない若者に興味を持ってもらおうと、献血のメリットや手順を伝える動画を作成した。
東島さんは「9月に開かれる文化祭には献血車を呼ぶことを検討中。より身近に感じてもらい、献血者が増えるとうれしい」と話した。