出現するのは年に数回、幻の滝と称される秋谷の「関根御滝」で7月4日、水が流れるのを確認した。
場所は子安の里のほど近く、清水が絶え間なく流れる「関根御滝不動尊」の裏山。社殿のある位置からも白い筋を目視できたが、関根川沿いの遊歩道を歩くと滝の真下まで迫ることができた。高さ30mはありそうだが、鬱蒼とした木々に覆われ、水が流れ出る最初の位置は不明だった。
不動尊を管理している世話人会の御仁に聞くと、まとまった雨が連日降り続いた後などに現れるという。ただ、法則性ははっきりとしておらず神出鬼没。山肌に貯えられた雨水が1カ所に集まり滲み出ていると考えられる。5mほど海側に下った場所にも滝が存在しているという。
日本を代表する滝マニア、佐竹敦さん(安浦町在住)の話
滝の世界では、幻の滝は2種類あるとされている。「山奥の秘境にあり、到達困難で人目に触れることのない滝」と「年間を通じて水が流れることがほとんどなく、その姿を目にすることができない滝」だ。関根御滝は後者のタイプ。中々その姿を拝めることができない。幻の滝の名称がまさに相応しい。ただ、お目にかかることができなくてもがっかりすることはない。お堂に注ぐ清水のおいしさが格別だからだ。