地域新聞タウンニュースの小田原・箱根・湯河原・真鶴版でおなじみの、湯河原町に本社を構える保険代理店「I First (株)アイファースト」。少し社長の鍋島一博さんについて紹介します。
経営破綻を経験した信用金庫職員時代
鍋島一博さんは、元西相信用金庫の職員で営業店、本部、業務推進、人事など部署を歴任しました。しかし、西相信金は2000年に経営破綻。鍋島さんをはじめ、職員は職を失いました。
当時、人事課長だった鍋島さんは、自身もまだ40代で子どももいて家族を養うためにお金が掛かる時期にもかかわらず、最優先にしたのは職員の今後の職探しでした。地域の企業や金融機関に採用のお願いのために自ら出向きまわりました。
- 職員の再就職先の確保をしてから、身の振り方を考えたそうです。
保険業界に転身
第2の人生に選んだのが、金融機関での経験が生かせる保険業務でした。テスト期間を経て、トップの成績を挙げ独立を果たしました。鍋島さんは、独立することで、1人でも元職員を雇用したいという思いを持っていました。
- 常に、自分よりも社員に思いを寄せています。
「社員が幸せでなければ、お客様を幸せにはできない」という考えを軸に年齢、性別、経験、立場等に関わらず社員が働きやすい環境を第一に考え、地域から働きたいと憧れられる会社にすることを目標に掲げています。
保険代理店「I First(株)アイファースト」
同社は3年連続で、経済産業省の認定制度「健康経営優良法人」に認定されました。健やかに、そして持てる力を発揮できる職場環境だからこそ、お客様に対し親身に対応ができ、お客様に合った保険の提案が出来るのだと感じました。
- 同社は、資産形成、家計、住宅資金計画、相続対策、自動車事故ほか、様々な相談や各種保険などを扱っています。「ファイナンシャルプランナー」の資格を持った社員が相談に応じています。
人生の変遷を綴った本を出版
鍋島さんは、西相信金入職から経営破綻、同社の設立などを綴った小説「信金破綻」本を出版しました。登場人物や名称は仮名ですが、事実に基づきまとめたものです。
順風満帆だった職員時代から、経営破綻という窮地に追い込まれた職員をはじめ役員、そして地域の顧客の苦悩などが細かく描写されています。自身の原点とも言える経験が本に書かれています。「貴重な経験。今後に生かしていきたいです」。鍋島さんは今日もお客様の元に出向きました。