大磯町在住の木版画家・北村麻衣子さん(40)の作品展「蒼い風がふく」が、大磯町のカフェmagnet(大磯1130)で11月28日(日)まで開かれている。
大学と美術系専門学校で木版画を学び、在学中から個展を開いてきた北村さん。2人の子どもを育てながら作品づくりに取り組み、詩集の挿絵を担当したり、NHK Eテレの図工番組に出演して版画のコツを披露したこともある。昨年、版画公募展の「第9回FEI PRINT AWARD」で大賞を受賞し、その副賞として六本木のギャラリーで個展を開催。
今回の作品展は、地元での巡回展のような位置付けになる。コロナ禍で近所の山や海岸を散策する機会が増え、湘南平で見かけた虫や海岸で拾った漂着物などを作品づくりに生かすようになった。
元気が出る作品
作品展では、虫や動物、植物などをモチーフにした多色刷りの木版画やガラス絵、海岸の漂着物を使った立体など20点以上が並ぶ。色鮮やかな版画は、ススキやサフランなど秋を想起させる情景の中で、虫たちがドングリやサツマイモのツルなどを使って思い思いに遊んでいる可愛らしくも幻想的な姿を描いた「秋の暮」をはじめ、どの作品からも楽しげな雰囲気が伝わってくる。
大磯の海岸で拾った流木や貝殻、シーグラスなどを絵本から飛び出してきたようなユーモラスな生き物に仕立てた立体作品や、北村さんの版画の世界を閉じ込めたようなガラス絵も展示されていて、「見ていると元気が出る」と来場者から評判を呼んでいる。
自身も楽しみながら作品を制作しているという北村さんは「身近にギャラリーが多い大磯町ですが、版画を見る機会はなかなかないと思います。実物をご覧いただき、楽しんでもらえれば何よりです」と話している。
展示は午前11時から午後6時(入場は午後5時)まで。(月)・(火)定休。問い合わせはmagnet【電話】050・1168・9779へ。