資源の循環と誰もが活躍できる社会を
JR川崎駅北口通路にさをり織りの反物が吊られ、通りに彩を添えている。障害者アートの支援活動を行うNPO法人studio FLATの大平(おおだいら)暁代理事長の声がけに賛同して集まったメンバーからなる「Kawasaki Saori Art実行委員会」によるプロジェクト。資源の循環と誰もが活躍できる社会を目指す。
さをり織り=自由な発想と視点を大切にしたアートとしての手織り
依然として障害者の賃金が安い現状に対し、FLATのアーティストたちが織った反物を使い、商品を制作することで価値を高めようとしている。さをり織りとは織手の自由な発想と視点を大切にしたアートとしての手織りで、FLATでは2020年から取り入れている。
スポーツチームや企業からの布廃材で
織り物に使ったのは布廃材。市内スポーツチームの破棄予定の応援フラッグや、企業から出る廃布の提供を受けた。布の裁断や色の仕分けなどはプロジェクト趣旨に共感して集まった人たちの手伝いもあった。
織りあげられた反物は延べ約180メートル。FLATのアーティストの他、イベントでの織機体験なども行い、制作には約半年かかった。
北口通路の展示は24日で終了し、その後は反物を使った製品を作り、販売をする予定。
大平理事長は廃材収集、布の裁断作業、さをり織り作業、製品化の経済循環を成立させることがこのプロジェクトのゴールだという。