首都圏内を中心にマンションの大規模修繕工事など建物改修業を手掛ける㈱富士防は、5月に神奈川県の「SDGsパートナー」に認定登録。これまで積み重ねてきた「SDGs」の視点をさらに強化している。
創業以来掲げているのが「たてものを育む」という言葉。同社を中心に立ち上げた(一社)三浦半島建物改修工事業協会では今年4月、有識者や行政関係者を招いた防災講座を開催し、産学官での連携を強めている。さらに、神奈川経済同友会の「産学連携チャレンジプログラム」に参加し、昨年度は県内大学生と「マンションの長寿命化」をテーマに共同研究を進めており、これを基にした新たなサービスの展開も始めるという。「研鑽した技術とアイデアで『付加価値ある建物』に生まれ変わらせる循環を作りたい」と同社の岡田圭太常務=写真。こうした取り組みが「持続可能―住み続けられるまちづくり」につながるという考えだ。
スポーツ支援や女性登用
職人の育成や雇用に力を入れる同社。昨年7月には神奈川県から防水多能工の職業訓練校として初の認定を受け、若手人材の技術向上に取り組む。未だ男性社会というイメージのある建設業で、同社の女性の割合は3割以上と同業種でも高い比率。県のなでしこブランドに選ばれた「なでしこ現場環境パトロール」「現場コンシェルジュ」など、働きがいの創出、女性の登用・活躍の場を広げている。
今春、アスリート雇用として全国大会出場経験のある水泳選手を採用。同社ではソフトボールとサッカーの市内チームも支援しており、「多様性のある働き方や地域の活性化にも循環させたい」と話している。