平間駅近くの旧パチンコ店を壁画アートで飾り、地域で活用できる空間づくりを目指すプロジェクトが進んでいる。取り組むのは、壁画を中心に幅広い創作活動を行っているカルチャー団体のメンバーらだ。
アート集団「BEHIND THE WALL」の代表を務める佐川友星さん(36)=宮内在住=は、不動産会社から2023年3月に取り壊し予定の空き店舗(田尻町28の1大寿ビル)活用を相談され、8月からプロジェクトチームで空間づくりをスタートさせた。
日本でも注目の壁画アート
国内外で活躍する壁画アーティストらに声を掛けると、主旨に賛同した10組がボランティアで参加。犬のリアルな描写や模様のようなデザイン、書道家がしたためた床の文字など、自由なテーマで描かれた個性的な作品が並ぶ。佐川さんも5歳の息子と3歳の娘と一緒に作業。スプレー缶やブラシ、筆などを使い、壁一面をキャンバスに楽しみながら制作した。
ストリートカルチャーから発祥した壁画アートは、遠くから眺めたり、近づいて繊細な部分を観察できる面白さがあり、オフィスの壁に用いられるなど、日本でも注目を集めている。佐川さんは「迫力ある壁画に囲まれた空間で、その魅力を体感してほしい」と話す。
今後は地域住民へ開放も
広さ約500平方メートル、高さ3mの空間を今後は地域住民へ開放することを計画。壁画やスケボーを体験するワークショップのほか、パチンコ店跡の防音性を生かし、バンドやダンス練習、人を集めたライブイベントなどの利活用を想定する。壁画は期間ごとに次の作品に更新し、2階部分まで広げる予定。
区内では中原市民館などの公共施設が数カ月先まで予約できないとの声があがる中、佐川さんは「制作中は何が進行しているのかと声を掛けてくる人も多く、関心の高さがうかがえる。期待に応えたい」と意気込む。
内覧会
9月9日から11日まで一般に公開する。正午から午後9時(最終日は7時)まで。期間中は壁画アーティストらが待機し、作品についての説明を聞くこともできる。参加費500円、高校生以下は無料。(問)メール(【メール】behindthewallradio81@gmail.com)で。