三崎港そばで毎週日曜に開かれている「三崎朝市」。午前5時から各店自慢のマグロや野菜などが並ぶ中、蜂蜜を販売する2人がいる。晴海町在住の杉本美雪さんと諸磯在住の岩城龍夫さん。初出店した7月16日には、用意した全ての商品が完売する人気ぶりだった。
コロナ禍以降、平日は看護師として働く傍ら、休日は趣味の畑作業に没頭していた杉本さん。養蜂の始め方などを紹介する動画をたまたま目にし、興味が湧いた。ある日、不動産屋と土地を探していたところ、偶然にも菊名で巣箱を発見。杉本さんが「コーチ」と呼ぶ岩城さんのもので、すぐに見学を申し出た。
都内と三浦の2拠点生活を送る岩城さんは、約150坪の山林で10年ほど前から養蜂を開始。あくまで趣味というが、友人らに贈ると、まろやかな甘さが好評だった。
杉本さんも昨年、岩城さんから蜜蜂を譲ってもらい、養蜂をスタートした。冬の寒さや巣を食べるスムシなどに注意しながら、現在は5群を管理する。女王蜂はそれぞれ1匹ずつしかいない。
今年分の蜂蜜は取れていないが、需要を探ろうと岩城さんの蜂蜜を商品として、7月8日に開かれた油壺マーケットに持ち込んだ際、三崎朝市協同組合の立川哲夫理事長に誘われ、こちらにも出店することにした。
秋には自身が育てた蜂蜜を取る予定。岩城さんは「好奇心が強く、勉強熱心。成功させてほしい」とエールを送った。