全国各地のサービスエリアや土産物店などで見かける、名産品に扮したつぶらな瞳の小犬のマスコットシリーズ「旅するマメしば」。手がけているのは、小田原市久野にある「株式会社田村商会」(田村浩一代表取締役)のデザインチーム「LamPlanning」だ。
同社は1954年に創業。観光記念品の製造・販売などを行っている。2018年に「自社オリジナルの商品を作りたい」と商品開発を開始。その際注目したのが、訪日外国人にも認知度が高い「柴犬」。小犬が全国を旅してご当地の名所や名産品とコラボしていくというストーリーを描き、誕生したのが「まめた」「まめこ」「くろまめ」という3種の豆柴のぬいぐるみボールチェーンだった。
売れ行きは好調で、20年にご当地シリーズとして「旅するマメしば」(旅マメ)を展開。まず始めに「富士山」と「明太子」バージョンを製作した。頭に地域の名物をすっぽり被ったかわいらしいフォルムで、デザイナーの妻と「何枚もラフを描いて考えた」と田村代表。コロナ下にも関わらず、富士山バージョンは静岡県内のテーマパークから定期的にオーダーが入り、手応えを感じたという。
SNSで話題に
行動制限が緩和されるとともに注目を集め、旅マメを観光地の風景や名産品と一緒に撮影し、SNSで投稿するスタイルが話題になった。インスタグラムのアカウント(@tabisuru_mameshiba)のフォロワー数も現在は1・4万人を超えている(25年8月現在)。

三の丸売店に並ぶ「旅マメ」
また「旅マメ」ファンのシンガーソングライターが公式テーマソングを制作。旅マメ収集を目的に観光する”柴狩り”を楽しむファンが現れるなど、広がりを見せている。「かまぼこ」や「ちくわ」などの小田原バージョンを取り扱っている三の丸売店のスタッフは「シリーズを集めることを目的に来ている人もいる」と話す。
小田原ブランドを海外へ
現在、シリーズは47都道府県・約400種類まで拡大。デザイナー5人と全国各地をまわる営業担当者でチームを組み、新作づくりを進めている。「地域へのリスペクトと、旅マメファンの方に喜んでほしい」との思いで、布の質感や細部の装飾にもこだわっているという。
来年初旬には日本を飛び出し、シンガポールバージョンを現地で販売する計画もある。小田原で生まれ育ち、地元への思いも強いという田村代表。「小田原発の日本を代表するキャラクターに育てていきたい」と熱を込めた。