公共施設で「リフォーム相談会」?
JR根岸線の本郷台駅近く、ちょっと目を引く建物の中で毎月リフォーム相談会が行われているそう。この建物は地元の人なら知る県立地球市民かながわプラザで、横浜市栄区民文化センター「リリス」や県の運営する「あーすぷらざ」などからなる公共の複合施設。
コンサートや区民の作品展が行われ、子どもが遊べるスペースも兼ね備えているため、さまざまな人が利用しているけれど…
「えっ?こんなところで?」
リフォーム相談は普通、お店とかでするものなのでは?どういうことだろう?ってことで、今回潜入してみました。(取材日・2021年2月13日)
いざ潜入!
会場はリリスの中の会議室スペースとのこと。中に入ると、優しそうな男性が対応してくれました。
こちらは地元で40年以上のリフォーム会社「(株)大船住研」の担当スタッフさん。
挨拶も早々に、記者が入口付近に置かれた機材を気にしていると、
「これは屋根の状態を調べるための空撮用のドローンです。従来より屋根に負荷の少ない点検方法として活用しています」
おおお!確かに、人が載らずに済むならより安全ですもんね。
こちらは…?
「これは耐震工事のための模型で、どこにどんな筋交いをすれば強度が増すのか、模型で体感できるものです」
担当スタッフさんが模型の台を揺らすと、たしかに構造で揺れ方が違う!
これはちょっと楽しくなっちゃいますね(と模型を揺らす記者)。
「工事の補助金制度を知ってほしいから」
ところで、どうして公共施設で相談会を開いているんだろう??
「弊社は長年、住宅の耐震工事にも力を入れてきました。耐震工事には国や市の補助金制度があるのですが、あまり知られていない実態があり、制度の周知や耐震工事の重要性を知ってもらえたらとの思いで東日本大震災より前の2008年から相談会を続けています」
壁に並べられているのは、横浜市建築局の協力で展示している補助事業の紹介パネルだそう。
「たまたまリリスに来た人がのぞいてみて、いろいろと知ってもらえたら嬉しいですね」
お得なだけじゃない補助金制度のメリット?
「補助金制度は金銭面のメリットだけでなく、公的制度なので『ちゃんとした工事がされたか』というチェックがあります。制度利用には書類申請も必要なのですが、この工事の適切さが保証されているという点を重視し、利用できる時にはおすすめしています」
相談会は公共的な目的だったから「公共施設」を会場にしていることがわかりました。より良い工事を多くの人に、という住まいづくりに関わる方のプロ意識を感じました。