五所塚町内会の会長として安心安全の街づくりを推進する
住環境の維持、信念に
○…昨年10月の台風19号の影響により崖崩れが起きた五所塚町内会の会長。共助の必要性を説き、「向こう3軒両隣」をモットーに顔の見える関係づくりを大切にしてきた。「5年で50世帯が増えたが、交流するにはイベントが一番」。新住民への案内状には、メッセージを添えて送る筆マメな一面を持つ。「若い人が増えると活気が出るからね」と笑う。
○…五所塚は約60年前、市内で最初の宅地開発として誕生した地域だ。崩れた石垣は同時期に造成されたもので、町内には今も10カ所以上点在している。こうした状況を市に訴え、このほど、市有地4カ所でボーリング調査が実現した。「田舎育ちだから、あまり話すのは上手くないよ」と謙遜する。
○…栃木県出身。「鮎は天ぷらが最高においしい」と那珂川で釣りに夢中になった少年時代を楽しそうに語る。大手スーパーへの就職で上京。時代は高度成長期。「やればやるだけ業績が上がる良い時代だった」。持ち前の人当たりの良さで頭角を現し、県内外で店長を務めた。溝口店に勤務していたころ、多摩川の堤防が決壊するのを目の当たりにした。「家屋が流されていく光景は今も忘れられない」。これが「安心安全―」を町内会のスローガンに掲げる理由の一つだ。
○…健康のため、毎日1時間のウォーキングは欠かさない。老人会では卓球部の部長を務めるスポーツマン。「近隣チームとの交流戦はコミュニティー作りに役立っている」。38年前、五所塚に移り住んだのは自然豊かな住環境が気に入ったから。会社員として第一線を退いたのを機に地域活動を始めた。「緑化推進地区にも選ばれているこの地の住環境を、後世に受け継ぐことが使命だ」と今後の抱負を語った。