コロナ禍になり、街から消えたものもあれば生まれたものもあります。その一つが早朝から店を開けるラーメン店の姿。いわゆる〝朝ラー″です。

　朝にラーメンを提供する店舗は、コロナ禍以前から静岡県や福島県内に多く、朝ラーとして親しまれているそうです。感染拡大により自粛となり、アルコール提供や深夜営業に代わる販路としてその「朝ラーメン」が注目を集め始めています。横須賀市内でもモーニング営業を始めるラーメン店の姿が見られるようになりました。今回はそんな素敵な〝朝ラー″体験をレポートを交え、3店舗を紹介します。

※営業情報は新型コロナウイルスの感染状況により変更される場合あり

横須賀の家系ラーメン界の雄、きたくり家

クリーミーな豚骨醤油スープをベースに、太麺・煮卵・ほうれん草・海苔・ネギがハーモニーを醸すのが〝家系″の王道。代表格とされるお店が「吉村家」「六角家」など、店名に〝家″がつくことが多いことからそう称されているとか（諸説あり）。

比較的さっぱりで醤油のパンチを利かせたスープが特徴で、横須賀の家系ラーメン店を代表する一つ、「きたくり家」では今年1月頃から朝ラーをスタート。今ではリピーターとして通うファンもいるそうです。メニューは「醤油とんこつ」「塩とんこつ」に加え、朝限定に開発した「中華そば」の3種類。全て税込650円とお手頃価格であるだけでなく、さらに半ライスと生卵orゆで卵が無料でサービスされます。名古屋のモーニングもびっくり！！

朝営業の理由を「自粛の影響で営業時間が短くなり、アルバイトの人たちの働き口として始めました」と磯貝店長。利益はほとんどないそうですが、そんな一杯にも手を抜かず、「中華そば」の味は日々研究を今なお続けているそうです。

きたくり家本店
神奈川県横須賀市根岸町2-21-16　房総ビル1F／8:00～10:30（日曜限定）／11:00～20:00／046-837-7999／毎月1回休み（不定休）／提携駐車場あり

ワンコインで朝から満腹、麵処 池田

香ばしいニンニクが食欲をそそる、看板メニューの担担麺が大人気の「麺処 池田」でも今年6月から朝ラーメンを始めています。提供は9時から11時までの2時間のみ。醤油ベースのスープにコシの強い縮れ麺。その上にドンと盛られたもやし炒めが食欲をかき立てます。ライスと生玉子の無料サービスもあり、ワンコイン（500円）！。さらにごはんと生玉子はおかわり自由と、朝から満腹必至。ラーメンスープに用いる醬油だれをアレンジした特製醤油を垂らせば、極上のTKG（玉子かけご飯）が完成！病みつきになっているリピーターも少なくないそう。朝から元気に活動できます。

朝ラーメンをオーダーしているのは、夜勤明けの看護師や出勤前に腹ごしらえする会社員など。「これまでと異なる客層を呼び込むきっかけになっている」と店主の池田直久さん。新型コロナの影響で時短営業を強いられており、「朝営業」で活路を見いだす狙いもあるといいます。

麵処　池田
神奈川県横須賀市若松町1-12　諏訪ビル１Ｆ／9:00～20:00（朝ラーメンは午前11:00まで）15:00~17:00休憩／月曜定休

朝の新顔は2トップ、「SHOW TIME」：10月4日で終了

『瞬間（とき）を忘れる一杯』を掲げて日々至極の一杯を追求する業界の新星、千日通りの「SHOW TIME」。家系ラーメン「横横家」で修行した店主が、更なる高みを目指してスープを徹底研究。低温管理を徹底した豚骨スープに隠し味としてフルーツを使用。さらに醤油の「美しさ」を残すために高級醤油を掛け合わせ、ダイレクトに喉へと伝わる「コク」と鼻に抜ける華やかな香りが特徴の進化系家系ラーメンです。

今年春から始めたという〝朝ラー″は、「塩らーめん」と「BLACK RS（豚骨醤油）」の2種。モーニングタイム限定の提供で、いずれも麺は自家製細麺を新たに選んでいます。通常営業にはない〝出会い″がありそうですね。

爽やかな朝にぴったりなあっさり「塩らーめん」は薄濁りの琥珀色スープにかいわれ・メンマ・ナルト・ノリ・白コショウが彩りを添える。低温調理した豚もも肉のチャーシューはローストビーフさながらの柔らかさと肉の旨味を引き出した逸品。あっさりの中に強い旨味を感じます。

一方「BLACK RS」は、上品な醤油の香りに黒コショウのパンチが全体を爽やかに引き締めています。具材はもやし・キャベツ・豚肩ロースチャーシュー・海苔。茹で野菜の甘みとキリっとした醤油とコショウ、さらに背油でコクが追加され、まさに『瞬間を忘れる一杯』に仕上がっています。

SHOW TIME
神奈川県横須賀市若松町1-4-8／10:00～21:00（L.O.20:45）／046-884-6363／火曜、第3水曜定休