麻生区地域功労賞の表彰式が11月29日、麻生区役所で開かれ、今年度は個人で樋口誠さん(80)、団体で麻生台団地自主防災会(奥山潔本部長)が受賞した。
同賞は、地域の振興発展、市民生活の向上に貢献し、顕著な功績のあった個人、団体を表彰。住民の地域活動への関心と理解を深めると同時に参加を促進し、魅力ある地域づくりの推進を図ることを目的としている。
樋口さんは、長年にわたり新百合ヶ丘自治会長、同自主防災組織本部長を務め、麻生区町会連合会、麻生区自主防災組織連絡協議会等の要職も歴任。地域の安全・安心のまちづくりに尽力した。川崎市アートセンター運営委員会、あさお芸術のまちコンサート推進委員会等の委員として文化・芸術・教育面でも貢献した功績が今回認められた。
一方、麻生台団地自主防災会は、毎月第2・4金曜日に、人通りが少なくなる夜間に拍子木を使って夜回りを続けることで、団地各棟の住民の安心感・連帯感を醸成。巡回を始めてから同団地内での夜間の火災が発生しておらず、放火等の犯罪抑止にもつながっていることが今回、受賞の決め手となった。
「賞をいただき光栄」
表彰式では、三瓶清美区長から、樋口さん、麻生台団地自主防災会副本部長の森博男さん(82)に手渡された。
樋口さんは「サラリーマンを卒業して、地域でお役に立てればと始めて、あっという間に20年経った。こうした賞をいただけて出来過ぎ。今後は若い方々のバックアップしていきたい」と笑顔を見せた。森さんは「パトロールは東日本大震災前からやっていたが、震災から考え直そうと今日に至る。地域住民の防災に対する関心を高め、我々もそれ以上の関心を持って、これからも取り組んでいきたい」と今後に意欲を見せた。
麻生区地域功労賞は2008年からスタートし、これまでに延べ38人・16団体が受賞している。例年は、10月に実施している「あさお区民まつり」で表彰式を行っていたが、今年は中止となったため、この日に行われた。