「木育(もくいく)」を伝えたい
梶が谷駅近くの音楽教室「音の教室カリヨン」(平松あずさ代表/【電話】044・872・9253)が子どもたちに「木育(もくいく)」を伝えたいと、木育をテーマにしたオリジナル絵本の書籍化を目指している。現在、クラウドファンディングで支援を募っている。
木育とは
木育とは、木材や木製品とのふれあいを通じて木材への親しみ、森林や環境問題への理解を深めてもらおうとする取り組み。外国から木材の輸入が増え国産木材の需要が減少したことで、国内の森林は間伐が進まず管理が行き届かない場所も少なくない。これらの課題などから、木育も全国的に広がりを見せている。
同教室は0歳から小学生が在籍する音楽教室。絵本に音楽を付けた読み聞かせを行う同時のプログラムを展開する。
要望を受け500部の制作を目指す
代表の平松さんらは子どもたちに木育を伝えようと、音楽を付けたオリジナル絵本「くまのこフルとまほうのクレヨン」と「まっくらもりのクロスケ」のデジタル絵本を制作。幼児と小学校低学年向けで、林業の課題にふれる内容になっている。これまでの催しの中では、モニター等に映して披露してきたが、「どこで買えるのか」といった声も聞かれたという。要望を受け、このほど書籍化を目指しクラウドファンディングを行うことを決めた。
目標金額は2月13日までに200万円で、500部の制作を目指す。「書籍化することで多くの方に読んでもらい、国産木材に興味を持ってもらえれば」と平松さん。同プロジェクトはクラファンサービス「キャンプファイヤー」で支援できる。
見えてきた林業の課題
2020年、平松さんは教室の隣に北海道の道南杉を使ったシェアスペースを開所した。「その時は、木育は考えずにインテリアとして木を使っただけ。でも、木の良さを知ると同時に国内の林業の課題なども見えてきた」と話す。2020秋には川崎市木材利用促進フォーラムにも加盟し、本格的に活動を開始。教室の仲間と山北町に訪れ間伐体験を行ったり、市と一緒に木に親しむイベントも開催した。「私たちは木のことに詳しくないし、今まで課題も知らなかった。一般の方と同じ感覚を生かして、できることを考えたい」と話した。