陶芸家・井上惠介さんによる「工房展と陶器市」が11月10日(木)から13日(日)まで、小網代陶房とギャラリー青岬(小網代158の3)で開かれる。時間は各日午前10時から午後6時まで。
中学時代にバイオリンを作ったほど、モノづくりが好きだったという井上さん。高校の選択授業で陶芸に出合い、夏休み期間中に祖母の暮らす岡山を訪れ、倉敷の奥地で焼かれる「酒津焼」を学んだ。以来、陶器の魅力に取りつかれ、職人の道へ。知人の紹介で35年ほど前に都内から三浦に移住した。現在ではサツマイモやキクイモ、日野菜蕪、山ワサビといった野菜も自家栽培しており、料理を引き立たせる器や土鍋、急須といった生活道具を制作。土を使って樹皮のような質感を表現した「樹皮文」と呼ばれるデザインをあしらった作品が特徴的だ。美大出身の妻・佳由理さんも顔料を加えて花などの絵柄を描くアート色の強い陶器を生み出している。
「炊飯器でお米が炊けたり、ペットボトルでお茶が飲めたり、便利なもので溢れる現代ですが、自然物でできた陶器は長く愛用されてきた歴史がある。1つのものを大切にする心を後世に残し続けていければ」と井上さん。会期中は井上さん夫婦が制作した600点以上の作品が見れるほか、2人が主宰する陶芸教室で活動する約10人の作品展も同時開催。割れた陶器の金継ぎの相談もできる。駐車場数台あり。
詳細は井上さん【電話】046・882・6517