2023年度に瀬谷高校と再編・統合される瀬谷西高校(小林幸宏校長)。最終学年の43期生は23年3月の”完校”に向け、持続可能な社会を目指す「SDGs」をテーマにした学習を昨年度から続けている。それぞれの関心に合わせた16のテーマ別の学習に加えて、学年全体の取り組みとして海軍道路などへの植栽事業「フラワーロードプロジェクト」を展開してきた。
学習を通じ社会参画の資質や能力を育む「SEYANISHI SDGs Project」。1978年の開校から40年以上にわたり関わりのある地域に恩返しすべく、一連の学習成果を「レガシー」(遺産)として遺すという目的もある。
ハマロード・サポーター活動の一環でもあるフラワーロードプロジェクトは地域交流・貢献を目指して、通学路である海軍道路を花が咲き誇る場所にしようというもの。もともと同校は第1回文化祭(1980年)の頃から海軍道路の清掃に取り組んでおり、伝統行事として後輩たちに受け継がれてきた。また、同校北部にある旧上瀬谷通信施設で2027年に開かれる国際園芸博覧会に向けた機運醸成も目指している。
植栽活動は地域の企業・団体(左表)の協力のもと、21年11月を皮切りとして22年5月と11月の計3回、花を絶やすことなく実施。海軍道路のほか、瀬谷駅前などにも植えた。また、抜いた花を有機堆肥にしたり、新たに植えた花をハチミツづくりの蜜源とする花の循環を目指す「フラワーループ」にも取り組んだ。
地域へのメッセージ
「植栽を重ねるにつれて、(取り組みが)少しずつ地域の人たちに浸透していくのを感じました」と島村美宝利(みほり)さん。「いつもありがとう」「散歩するのが楽しくなったわ」といった喜びの声が届いた。また、植栽活動の合間などに花を手入れしてくれる住民も増えていったという。
来年3月に完校する同校。古賀健太さんは「私たちの取り組みがきっかけとなって、きれいな海軍道路がこれからも続いていけば」と期待を寄せる。島村さんも「国際園芸博覧会が開かれる2027年に海軍道路がどんな形になっていたとしても、地域や園芸博のためになることだから、花植えを続けてくれたら嬉しいです」と笑顔で呼びかける。