逗子市役所向かいのカサハラビル２階で「逗子茶寮　凛堂」を営む山本睦希さん＝写真＝が「淹茶（えんちゃ）選手権２０２３」で最優秀淹茶賞を受賞した。

　「お茶を淹れる人」にスポットを当て、その技術や知識に裏付けされたパフォーマンスを競うコンテスト。「淹れ手」の確立や可能性の拡大、日本茶文化の発展につなげようと開催している。今年で２回目となり、全国５カ所で行われた予選を勝ち上がった５人が決勝に進出。「課題茶」「フリースタイル」の２部門の合計点で競った。

　「自然」がテーマのフリースタイルでは、京番茶のスモーキーな香りをシングルモルト用のグラスに纏わせ、自然農法にこだわる和紅茶をじっくりと抽出して注ぎ、懐紙で香りを閉じ込めた。「京番茶の荒々しい薫香で自然の驚異を、ミルクがなくてもまろやかで優しい味わいの和紅茶で自然のあたたかさを表現した」と山本さん。素材や生産者の思いに対する理解をもとに組み立てた奥深いストーリーと、それを表現する高い技術を披露。枠にとらわれない新しい一煎を創り上げ、評価を受けた。

　「お客様の応援が心強かった」と語る山本さん。「『この人が淹れるお茶を飲んでみたい』と思っていただけるよう日々、精進したい」と笑顔で語った。