初夏に瀬谷市民の森でアサギマダラを見ることがある。アサギマダラは、タテハチョウ科の大型のチョウで、濃い茶色に青白い(浅葱色)斑紋がある。前翅の長さは45〜65mmとアゲハチョウよりも大きく、平地から山地、高原まで分布し、初夏から秋にかけては移動や渡りをする。
幼虫の食草はキョウチクトウ科のキジョランやガガイモ等の葉で、これにはアルカロイドという毒が含まれている。幼虫はキジョランの葉を丸くかじり、そこから毒を含む乳液が出て毒の抜けた部分を食べるため、丸い穴が空く。
昨年6月初旬、キジョランの葉にアサギマダラの卵を見つけ、観察を続けると、一週間後、卵は孵化して幼虫になった。6月下旬には、黒地に小さな白色紋と大きな黄色の紋が連なり、頭部と尾にそれぞれ2本の角のような突起のある体長40mmの幼虫に成長した。
7月上旬、幼虫は緑色に金箔をちりばめたイヤリングの様な蛹になり、その後羽化して美しい成虫になった。
丸い穴の開いたガガイモの葉を見つけたらそれはアサギマダラの幼虫の食痕かも!
瀬谷環境ネットとは
瀬谷区およびその周辺地域の自然環境をよりよいものにして次世代に引き継ぎたいとの願いから生まれたボランティア団体。畑作、水路及びビオトープの生物環境保全や生物観察会、環境保護に関する講演会開催、小学校総合学習や教員研修会への支援等に取り組んでいる。