本間寄木美術館(箱根町湯本84)で11月26日(日)まで、正倉院の『沈香木画箱』を寄木細工で再現した作品の展示会が開催されている。午前10時から午後4時。入館料は中学生以上500円、小学生300円。
作品を手掛けたのは、箱根寄木細工伝統工芸士の本間昇さん(92)。84歳で日本伝統工芸展の新人賞に輝くなど、寄木細工の新しい表現を追求し続けている本間さんは「さらなる技術の向上のために、今までにない寄木に挑戦しよう」と昨年秋頃から新作の製作に取り掛かった。
着想の元となったのは、10数年前に正倉院展で出会った『沈香木画箱』。3倍の部分拡大写真から模様を忠実に図面に落とし込むことから始め、約5カ月間かけて完成させた。今回取り組んだ作風を生かした銘々皿などの作品も製作し販売している。限定品のためなくなり次第終了。本間さんは「寄木細工の価値観を高めたい。次の時代を担う若者の道しるべになれば」と話している。
10月25日(水)午後2時からは、トークイベントを開催。本間さんが木画箱との出会いや作品解説をする(事前予約・先着15人無料)。(問)同館【電話】0460・85・5646