冬の贈答品として人気の「シクラメン」。お歳暮やクリスマスを前に出荷最盛期を迎え、平塚市内のシクラメン農家でも最終準備に追われている。万田の吉川農園では、赤やピンク、紫など色とりどりシクラメンが並ぶ。
同園では、吉川雅幸さん(39)と父の尚良さん(67)の2人で作業にあたる。約500坪のガラス温室に、シュトラウスやシューベルト、ロマネなどの定番から、今年新たに栽培に挑戦したラビリンスやジックスなど約40品種を栽培。ラビリンスは花弁の縁に切れ込みが入っているのが特徴という。ジックスはがくが白く、花弁が赤で下向きに咲く、ユニークな形状のシクラメンだ。
同園のシクラメンは、昨年11月に種をまき、1年1カ月ほどかけて栽培。今年は猛暑の影響で根の生育が悪く、水や肥料の管理に苦労した。雅幸さんは「暑さで花の開花が例年よりも遅かったが、肥料を通常より減らし根のダメージを和らげるよう調整したので、例年通りの出来栄え」と自信をのぞかせる。
11月27日から始まった出荷は、12月27日まで続く予定で、東京や川崎、厚木、小田原、静岡などの生花市場に約5000鉢の出荷を見込む。「色とりどりのシクラメンで、少しでも華やかな年末を迎えてもらえれば。お客さんの喜ぶ顔を思い浮かべながら栽培した」と雅幸さん。
同園では直売、地方発送にも応じているほか、JA湘南大型農産物直売所「あさつゆ広場」(寺田縄)でも購入することができる。
問い合わせは吉川農園【電話】0463・31・8064。