鎌倉市内で初日の出を拝める場所と言えば、海岸沿いや長谷寺などを思い浮かべる人も多いのでは。隠れスポットとして紹介したいのが、天園ハイキングコースの最高点に位置する大平山からの絶景だ。元日を前にした12月13日、本紙記者が大平山を訪ね、日の出を眺めた。
鎌倉市の最高地点<大平山>
天園ハイキングコースの中間付近に位置し、鎌倉市の最高地点(海抜159・2メートル)にあたる大平山。東の方角を見わたすと、尾根の先から東京湾と房総半島を望むことができる絶景ポイントだ。
日の出の時刻に合わせて頂上にスタンバイ。辺りが明るくなり間もなくすると、尾根の奥から光が差し込み、日の出の撮影に成功した。
万全な装備で
大平山へのアクセスは、今泉台住宅と覚園寺、瑞泉寺の各入口から登っていく。いずれのルートも日の出前は辺りが真っ暗で、懐中電灯が必須。また山道には急斜面や滑りやすい箇所が点在するため、登山に適した服装と靴の選択を。
585回のパトロール
市内3つのハイキングコース(天園、葛原岡・大仏、祗園山)を普段パトロールするのは、鎌倉風致保存会の会員ボランティア。市の協働事業として2008年に始めて以来、2023年11月までに585回のパトロールで延べ3565人のボランティアが参加した。
パトロールは、3コースともに月1回の頻度で実施。危険箇所の確認や枝払い、簡易な除草などを行い、コースの安全確保に努めている。
葛原岡・大仏コースのリーダーを務める上原稔さん(71)は、地域貢献と体力維持を目的にボランティアに入会。「老木や折れ枝は、いつ落ちてくるか分からない。ハイカーからのあいさつや感謝の言葉がうれしい」とやりがいを感じる。パトロール中は、不測の事態に備えてAEDを携行し、ハイカーと会員の安全を守っている。