新横浜駅直結の商業施設、キュービックプラザ新横浜(運営会社:新横浜ステーション開発(株)・松尾啓史代表取締役社長)は、10月のピンクリボン月間に合わせ、初の啓発イベント「Pink Ribbon Festa 2025」を10月31日(金)まで開催している。日頃施設を利用する地域住民や、新横浜駅に訪れた人へ「命」に関わる大切な知識をカジュアルに伝える取組みだ。
「重たい」テーマゆえに商業施設で
同企画は、季節の販促とは異なる「地域の人々に、何かためになるものを」という運営側の強い思いから発足した。同社イベントチームの椎名恵美さんは「商業施設は、地域の方々が日常的に立ち寄りやすい場所です。だからこそ、乳がん検診のような『重く』捉えがちなテーマも、気軽に、明るく触れられる場所を提供したいと考えています」と力を込める。
イベントのキャッチコピーは「わたしに、知ってほしい。あなたに、伝えたい。」。イベント企画を主導し、同コピーを考案した青山瑞希さんは「まず乳がんを自分事として捉えて、その知識を大切な人にも伝えてほしい」という願いを込めたという。このメッセージを広めるため、10月1日から新横浜駅改札前をピンクの装飾で彩り、多くの利用者に訴えかけている=右写真。
医療体験と学生連携
大きな特徴は、地域の医療機関や学校との強力な連携体制が組まれたこと。社会医療法人社団三思会と岩崎学園の学生らの協力のもと10月18日(土)、19日(日)には多くの啓発・体験イベントが実施される。三思会は18日、「医療のお仕事体験」を開催。現役の検査師が、親子で超音波(エコー)検査や乳房模型を使ったしこりの見つけ方を指導する。「がんってなに?」という子ども向けクイズもあり、家族で『ブレスト・アウェアネス(乳房を意識すること)』を学べる貴重な機会となる。
岩崎学園は、学生の視点でデザインされた乳がん啓発のパネル展(8階まなびギャラリー・31日まで)や、資源ごみをリサイクルする「ピンクの万華鏡作り」や「オリジナル缶バッジ作り」(18日・19日)といったワークショップを実施し、来場者が気軽に運動に参加できる機会を提供する。パネル制作を担当した同校の上野乃ノ佳さん(20)は「展示を見た人が乳がんやピンクリボン活動、体の健康を意識するきっかけになれば」とコメント。青山さんは「今後も地域の恒例行事として続けていけたら。『自分を大切に、あなたを大切に』という思いを伝えていきたいです」とイベントへの思いを話した。