藤沢出身の漫画家でイラストレーター、あららぎ菜名さんが自らの実体験をもとにしたエッセイ漫画「東京藝大ものがたり」を出版した。国内最高峰の美大に合格するまでの苦悩や成長の道のりを赤裸々に描いている。
かくも地味で美しい、受験漫画の新機軸――。
あららぎさんは東京藝大出身。藝大OBで、陶芸家の父の影響で幼いころから美術に対して憧れを抱いていたといい、「父と同じ世界が見てみたい」と同大を志すも現役合格はならず。浪人生活ではアルバイトをしながら予備校や自宅で絵の練習に明け暮れた。
美大受験の実情を
同作では、ライバル受験生との関係性や、思うように絵が上達しない苦悩、それでも自分と向き合いながら一歩一歩前に進んでいく様子など、合格をつかみとるまでの軌跡を克明につづった。一般的に華やかだと思われがちだが、「多浪すればするほど闇が深くなる」(あららぎさん)という美大受験の実情を描き出している。
飛鳥新社刊行。縦21cm×横15cm、274頁。1200円。全国書店やインターネット、ジュンク堂書店藤沢店など市内書店でも販売している。