特別企画展「写真で見るふるさとの原風景」
市立柿生中学校内にある「柿生郷土史料館」が10月2日に再開し、特別企画展「写真で見るふるさとの原風景」が始まった。2022年1月30日まで。
特別企画展は19回目。写真は、同館を運営する地元ボランティア・支援委員の所持品や、地元住民から借りたものを集めた。世田谷町田線の現在と、同じ場所をとらえた昔の写真を並べて展示。ほかにも開業間もない新百合ヶ丘駅周辺、弘法松、柿生中の下にあったトンネル、早野や岡上、五力田、多摩線の各駅などの様子を紹介する。
柿生地域をはじめ麻生区域は、高度経済成長期にかけて都市化や開発が進んだ。同展では、田畑が広がる里山の風景や、開発後の写真を見ながら、まちが歩んできた変遷をたどることができる。支援委員の一人は「50年近く住んでいるが、今昔の写真は同じ場所かとびっくりする」と驚きを口にする。
2021年4月からの開催を予定していたが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されたため、休館を余儀なくされた同館。半年越しの開催となった。展示する写真と地図は61枚まで増やした。企画担当者は「写真を見比べながら、シニア世代と子育て世代、子どもたちと、三世代で話が弾めば」と話す
学校の中の博物館
同館は、柿生中の校舎改築に合わせ、地域住民と学校が協力して2010年に設立された。黒川や早野を含む旧柿生10カ村や岡上で見つかった文化財を、地域や学校教育で活用してもらおうと展示公開する。展示品には触れることができる土器や教科書もあり、地元住民からの寄贈品も多い。運営の支援委員は、同校卒業生が主体だ。
毎月機関誌「柿生文化」を発行するほか、カルチャーセミナーや史跡を巡るバスツアーを実施するなど、郷土や文化を発信し続けている。
入館料無料。開館は偶数月が毎週土曜、奇数月が毎週日曜。10月23日、11月28日は休館。時間は午前10時から午後3時。詳細は公式サイト。