現在の中原区と対岸の大田区を結ぶ交通や物流の手段として盛んに利用され、江戸時代には江戸への玄関口の役割を担った渡し舟「丸子の渡し」。丸子地区では、歴史を次世代につなげようと、多摩川を渡る乗船体験をメインに「丸子の渡し祭り」を開いている。
新型コロナの影響で中止が続いていた祭りだが今年、10月2日(日)に4年ぶりの開催が決定した。前日1日(土)の夜には、新型コロナ早期終息と祭りの成功を願い花火が夜空を彩る。
地域一丸で
武蔵小杉駅前の開発など、新しく移り住む人が多くなってきた頃、「丸子地区の歴史や文化を知ってほしい」「新旧住民のふれあいの場を」と有志らが立ち上がった。町内会・自治会をはじめ、さまざまな団体が協力。地域一丸で「丸子の渡し復活」へ話し合いを重ね、2014年に初開催。人気の祭りとして定着した。
丸子地区9町会で構成する丸子多摩川観光協会の尾木孫三郎会長は「新しい人々を歓迎し、古い文化を大切にする。この地域の人々は懐が深い」といい「4年ぶりの祭りは楽しみにしている人も多い。一丸となって成功させたい」と意気込んだ。また、同会花火実行委員会の松川正二郎委員長は「短い時間だが、たくさんの協力を得て、思い出に残る花火にしたい」と話した。