フロンターレの練習拠点・麻生グラウンド(麻生区)で選手たちを食事面で支えているのが、公認スポーツ栄養士の梶原一美さん(36)だ。
梶原さんは、社員食堂や病院・高齢者施設、学校、スポーツ施設などで、「食」を通じて、あらゆる世代の健やかで豊かな暮らしをサポートするエームサービス㈱の社員。2022年1月から麻生グラウンドの食堂を担当し、選手たちの昼食を考案している。「基本的に定食スタイルで、プラスで選手自身が選べるような小鉢や常備菜を準備しています」と梶原さん。基本は主食、主菜、副菜、汁物、乳製品、果物。米が進むようなおかずに、不足しがちな鉄やカルシウムを補う納豆、あさりの佃煮、じゃこのふりかけなどのお供も日替わりで用意。脂質を摂りすぎないように唐揚げはノンフライで焼き上げるなど、日々工夫を凝らす。「過密日程が続いているので、素早く疲労回復できて食べやすいメニューを考えています」と話す。
選手たちから人気があるのは、カレーや丼物、魚料理。「魚を食べない若者も多いのですが、選手たちは好んで食べてくれるのでありがたいです」とほほ笑む。少しでもリラックスし、食欲促進になるようにと、選手たちの好きなメニューを献立にすることも。試合の前日は、対戦チームのご当地メニューを入れ、「相手を食って勝つ」という縁起を担ぐようにしているとか。「選手たちの良いパフォーマンスだったり、『美味しかったよ』と言ってもらえたときはうれしいですね」と笑みをこぼす梶原さん。選手の栄養相談に乗ることも多々。「選手たちに信頼され、少しでも力になれるようになりたい」と目標を語る。
- 「食堂で食事を楽しんでもらい、食堂のメニューから少しでも栄養の知識が自然に身につくような環境にしていきたいですね」。食堂から、選手、チームをサポートする日々は続く。