開成弥一芋ブランド化推進協議会(開成弥一芋研究会、かながわ西湘農業協同組合、神奈川県農業技術センター、イオンリテール(株)、開成町)が2013年度からブランド化と生産振興に取り組んでいるサトイモ「開成弥一芋」の今季初出荷式が10月7日、3年ぶりに金井島のあじさい公園で開かれた。
弥一芋は、1903(明治36)年に同町金井島の高井弥一郎氏が栽培したことをきっかけに、戦前まで関東一円に広まった。しかし戦後は、米作りに押される形で生産量が激減していった。こうした中、地域の食文化継承のためにと、2011年に地元農家の有志で研究会を発足。生産活動を拡大するために関係機関とも連携し、ブランド化推進協議会が誕生している。
この日は同協議会の関係者らおよそ40人が出席。収穫したイモを協力して車に積み込むと、今期初出荷へ走り出す車を全員で見守った。式典で挨拶に立った研究会の辻理孝会長は「猛暑の影響が心配されたが作柄は平年並み。今年の出来を見ようと、自分でも食べてみたが、やっぱりおいしいです。たくさんの方に食べてもらえるとうれしい」と話した。
粘土質の土ときれいな水が育てる弥一芋は、通常のサトイモより大きく、まろやかな甘みとねっとりとした食感が特徴だ。生産者の一人で研究会副会長の瀬戸仁司さんは「味付けせず食べてもおいしい。小さいものは焼いたり、汁物に入れたり。若い人たちからはピザやお好み焼きなどに入れてアレンジしてもおいしいと聞く」と話す。
弥一芋は県内のイオン、イオンスタイル全28店舗やオンラインショップで販売される。