奉祝曲に
川崎区藤崎在住の民謡・演歌歌手の池上朝子さんが弘法大師・空海を歌った『お大師さま』をこのほど、日本クラウンからリリースした。地元の様々な縁から曲作りはスタート。2023年は空海が高野山(和歌山県高野町)に密教の道場を開き1250年の節目でもあり、奉祝曲ともなった。6月15日には高野山の「青葉まつり」で披露する。
池上さんが作詞と歌、小竹一臣さんが補作詞と作曲
作品は池上さんが作詞と歌を担当、ソングライターの小竹一臣さんが補作詞と作曲を手掛けた。池上さんは民謡全国大会で数多くの優勝実績を残している。
2021年、美容師でもある池上さんのもとに、川崎大師平間寺に長年勤務していた知人の一人から「川崎大師を盛り上げる曲を作ってほしい」との依頼を受けたのが始まり。知人は退職してから20年ほど経過していたが、コロナ禍で大師界隈の活気が失われているのを憂いていた。
池上さんにとって川崎大師平間寺は困り事があった時には必ず参拝に行く場所。子どもが生まれた時にもお礼参りに訪れ、歌手デビュー時には護摩炊きを行った。早速、池上さんの曲を手掛ける小竹さんに曲づくりを相談した。
小竹さんは高野山にはこれまで7、8度足を運んだことがあり、弘法大師には親しみを感じていた。とはいえ「お大師さまにまつわる曲を一般人が作っていいのか」との思いを抱いた。交流のある真照寺の水谷栄寛住職に協力を依頼。その伝手から高野山ともつながった。「ありがたや ありがたや」のフレーズが浮かんだ小竹さん。それから約2週間ほどで完成したという。
3分30秒の楽曲は盆踊りのような曲調の軽やかなメロディー。歌詞に出てくる「南無大師遍照金剛」という宝号は水谷住職らが唱える。振り付けは、高野山真言宗僧侶で舞踊家の滝山隆心師が行った。
川崎区文化協会創立30周年緒記念イベントで披露も
2022年8月には藤田隆乗貫首にCDを奉納。2023年3月19日にはカルッツかわさきで行われた川崎区文化協会創立30周年緒記念イベントで披露。日本舞踊中村流の中村福駒さん(川崎区大島)らが協力してステージを盛り上げた。池上さんは「色々な場所で歌って、お大師さまをより身近に感じてもらいたい」と語る。