一般社団法人Japan Hunter Girlsが4月1日、足柄森林公園丸太の森内に、箱根北麓ジビエ処理加工施設「KIWOSUKU(キヲスク)」を開設した。
捕獲した野生鳥獣を同施設に持ち込むと、同法人や猟友会、講習を受けた人が解体できる。必要に応じて同法人は、精肉の引き取りを行うほか、2時間以内に搬入できる範囲であれば、捕獲された鳥獣の止めさしにも対応する。
現在、シカやイノシシ約9割は焼却・埋却
畑や森林に被害を及ぼすシカやイノシシは、適正頭数に抑えるために狩猟者によって捕獲され、食肉「ジビエ」として消費されているが、消費できない約9割は現在、焼却・埋却されている。2020年に同法人を立ち上げた高野恵理子さんは「狩猟者が自家消費できないジビエが捨てられるのはもったいない」とジビエを貯蔵し活用できる施設の開設準備を進めてきた。開設にあたり、市や猟友会、地元団体らの協力を得て、補助金やクラウドファンディングを活用し、約1300万円を調達した。
今後は見学者を招いて食育の拠点にしていくほか、同施設で解体する際に出る端切れを缶詰に加工した商品を順次、地元スーパーで販売していく。また、施設利用料や飲食店へのジビエの卸売りなどで発生した売り上げの一部は、森林の保全に充てられるという。