綾瀬市立図書館で企画展「綾瀬の農業」と「2023本屋大賞」が5月1日まで行われている。
綾瀬の農業コーナーでは農産物の生産が盛んな土地柄を背景に、「家庭でも簡単に」を謳い、野菜づくりの実用書やレシピ本が並んでいる。一方、本屋大賞コーナーは開始早々から盛況で、2018年から22年までの受賞作やノミネート作を集めた59点が瞬く間に貸出中になった。
企画展は、同館の指定管理者である株式会社有隣堂(本社・横浜市)が綾瀬市から業務委託を受けた2008年からスタートさせた。読書を身近なものにしてもらおうと季節や世間の流行、社会情勢をヒントにスタッフがテーマを考案し、月替わりで企画展や特集を実施。「手に取って欲しい一冊」などとして紹介している。
稲垣和雄館長は、「企画展や特集はスタッフの個性がテーマに表れるところが面白いところ」と説明。過去には仕事や勉強、恋愛を前向きに取り組むヒントを紹介する「スイッチ」や生乳の大量廃棄を考える「牛乳ゴクゴク」など、興味を引くタイトルの特集も組まれたという。
世界観広げて
同社は利便性の向上を図るとして、同館以外に管理する市内3図書室(北の台・寺尾いずみ・南部ふれあい)の開室時間を拡大した。正午からの午後1時までの休室をなくし、終日開室に変更した。
また長引くコロナ禍の影響で足が遠のいた利用者を呼び戻そうと、妊婦やこれから子育てに携わる父親を対象とした読み聞かせ講習会やイベントも企画。視覚障害者向けの新サービスの準備も進めている。稲垣館長は「コロナ禍以前に戻したい」とし、「新しい発見や世界観を広げてくれるのが読書の魅力。今後も普及に努めていきたい」と話した。