終末期患者に寄り添う ホスピス型高齢者施設
末期がんや人工呼吸器が手放せない状態など医療依存度が高く、自宅や通常の介護施設で療養生活を送れない高齢者を対象にした医療特化型療養施設「フレアス メディカルケアホーム元橋本」が2023年12月1日、神奈川県相模原市緑区元橋本町に開設されます。
終末期患者の痛みや症状の緩和を目的とした小規模体制(20床)のホスピス型ホームで24時間365日看護師がケアを行い、専門的な医療や介護にも対応しています。運営会社の㈱フレアスは、訪問マッサージや訪問介護事業を全国展開している業界大手。鍼灸マッサージによる緩和施術を取り入れたリハビリの実施などで、「最期まで穏やかに日常生活を過ごせるよう心と身体の両面をサポートしていく」とのことです。施設の役割や特徴などを看護管理者の小川琴子さんに聞きました。
──ホスピス型ホームと有料老人ホームの違いを教えてください。
自宅に近い住環境の中で、末期がんや神経難病(パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症)などの専門的な緩和ケアを提供していくのがホスピス型ホームです。
一般的な有料老人ホームでは、医療依存度が高くなると、対応が難しくなり退所しなければならないケースが少なくありません。当施設は、療養先を見つけることが難しい人のニーズに応え、24時間365日、夜間も看護師と介護士が入居者の見守りと介助を行います。病院の安心感と自宅のくつろぎを併せ持つような施設だと思っていただけるとわかりやすいかもしれません。
施設入所から看取りまでの期間は、各人の症状などによって異なりますが、痛みや苦しみをできるだけ取り除き、最期まで「その人らしく」過ごしていただくことを心掛けています。病気になる前と同じような日常を送っていただくことを前提としており、行動に制限をかけない自由度の高さが大きな特徴といえるでしょう。
──運営会社の㈱フレアスは、訪問マッサージや訪問介護事業を全国展開している業界大手です。
当社は、医療保険適用の訪問鍼灸マッサージや訪問介護サービスの提供を柱に、施設への通いを中心に宿泊・自宅への訪問サービスを組み合わせて提供する在宅支援機能を持った看護小規模多機能型居宅介護の運営を手掛けています。元橋本のホスピス型ホームは三重県四日市、静岡県静岡市に続く3例目の開設。元橋本の施設は、看護小規模多機能型居宅介護(定員29人)も併設しています。
在宅介護には、介護生活を支える様々サービスがあり、広く普及しつつありますが、家族だけで支えることは難しく在宅介護の限界を理解しています。医療・看護との連携も今後ますます重要になっており、訪問事業で培った経験やノウハウを施設運営に活かしています。具体的には、鍼灸マッサージによる緩和施術を取り入れたリハビリや拘縮を和らげるためのケアなどを入居者に提供しています。
──小規模ならではのメリットがありそうです。
20床としているのは、一人ひとりにきめ細かなサービスとケアを提供するためです。看護体制は入居者1人に対して1.4人(※参考=大手ホスピス施設3人)という手厚い人員配置が自慢です。新型のコロナの影響で面会に制限を設けている施設が多い中、ふれあいの時間を大切にしようと、家族のお見舞いも可能にしています。もちろん感染対策は万全を期しています。
──利用料金を教えてください。
月額9万8800円(家賃4万4800円・管理費1万5000円・食費3万9000円含む)と介護費用(自己負担金)と医療費用(自己負担金)で入居一時金は不要。敷金や礼金もありません。低価格ホテル並みのコストとしています。
──フレアスのイメージキャラクターを人気タレントの小泉今日子さんが務めています。
当社は「看取り難民ゼロの明日へ」を企業メッセージとして発信しています。小泉今日子さんは中高年世代の認知度が高く、私たちの想いを届けてくれることを期待しています。