【特集 充実した人生100年時代を】100年時代を生きるヒントを 世界最高齢の男性サーファー 佐野さんに聞く「人生、まだまだ これから 」

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【特集 充実した人生100年時代を】100年時代を生きるヒントを 世界最高齢の男性サーファー 佐野さんに聞く「人生、まだまだ これから 」
江の島の海で颯爽と波に乗る

80歳でサーフィンを始め、世界最高齢の男性サーファーとしてギネスにも認定されている佐野誠一さん(90)。「『高齢だから』と諦めるのは好きじゃない。まだまだ、これから」と話す佐野さんに、人生100年時代を豊かに生きるヒントを聞いた。

サーフィンを始めた理由を教えて下さい。

「80歳になり仕事に余裕が出て、まず挑戦したのは富士登山。その翌週、『そうだ、サーフィンやろう』と思った。興味なかったんだけど突然に。すぐに藤沢市役所に電話して、クラブを紹介してもらった。富士登山の翌週にサーフィンを始めて、気づけば10年が経っていた」

80 代のサーファーは珍しいですね。

「私はそう考えなかった。年齢のせいにするのは潔くない。自分の名刺には『香気幸令者』(こうきこうれいしゃ)と書いている。『後期高齢者』なんて言われるの嫌だからね」

10年間続けられたサーフィンの魅力とは。

「立派な答えはなくて、『ただ、やりたい』から江の島まで来ている。スクールに来て準備体操しているだけで、不思議とホッとする。海の中に入れば自由気まま。だから楽しい」

「ホッとする」という準備体操の時間。入念にストレッチする

2022年にはギネスに認定されました。

「認定された当初は騒がれなかった。昨年9月に静岡県牧之原市にある人工波プールで、サーフィンのデモンストレーションをした。NHKが全国で放送したら、わっと取材依頼が舞い込んだ。ただ、ギネスに認定されるために続けていたわけではない。楽しいから続けていた。ギネスに認定されなくても、サーフィンは続けるよ」

ギネスの認定証を持つ佐野さん

ご自身を「さざなみサーファー」と呼んでいますね。

「高い波に乗らなくても楽しむことはできる。さざなみであれば、年齢や性別に関係なく楽しめるし、高い波が来ない海でもできる。世界中の子どもから大人まで、もっと気軽にサーフィンを始める人が増えて欲しいね」

佐野さんならではのサーフィンの楽しみ方とは。

「ボードの上でT字型で片足立ちしたり、源義経の八艘飛びじゃないけれど、ボードの上で回転してみたり。90歳の人が、片足で波に乗っていたら面白いでしょ。色々な楽しみ方があるんだ」

サーフィン後には笑顔がこぼれる

おっくうがらずに行動

人生を豊かに生きるには。

「自分の場合は身体の調子で、まずは元気であること。私自身も少し前に体調を崩して、改めて健康であることの大切さを痛感した。経済的な部分も大切だね。また、『おっくう』という言葉があるけれど、おっくうがると全てが後手に回っちゃう。前向きにポジティブに生きるには『やろう!』と思い立った時に行動すること。そうしてきたから、今の私があると思っている」

おっくうになる瞬間はないのでしょうか。

「いや、私もあるよ。人間だから、みんなあると思う。体調が悪い時や精神的に弱っている時は特にそうで、全てが逆になる。だからこそ、身体や心の健康を日々保つことが大切だね」

インタビューに答える佐野さん

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住所

神奈川県大和市

公開日:2024-02-14

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