小田原市本町のかまぼこ通りにこのほど、犬と泊まれる貸し切り宿「いぬと海辺」がオープンした。築80年以上の物件をリノベーションした宿で、かまぼこ通りの空家対策に取り組むかまぼこ通り活性化協議会の田代守孝さんが自身の持つ物件を提供し、市内で宿泊業を展開する合同会社プラム(梅宮勇人代表)が運営する。
小田原市が2021年に実施した空家等実態調査によると、市全体の空家率は1・69%。いぬと海辺がある本町3丁目の空家率は8・60%で、市内でも2番目に高い値。また同調査では、市内の空家等のうち53・2%は「ほぼそのまま利活用が可能と思われる」、40・5%が「修繕により利活用が可能と思われる」と評価している。しかし、急を要する困りごとがない、あるいは相談先が不明・不信などの理由から流通や利活用が進んでいないという。
田代さんは「空家問題は防犯や防火の面でも対策していかなければならない」と積極的に利活用する取り組みを推進しており、「良い事例を作って、問題を解決しながら地域の活性化にもつなげていく糸口が見つかれば」と話している。梅宮さんは「かまぼこ通りは海から近く、景色が良い。犬と一緒に楽しめる目的地となる場所を作っていきたい。ドッグランとしても開放する予定で、泊りに来た人と地域の人の交流が生まれる場になれば」と話す。