相模原市中央区にある上矢部薬師堂(上矢部4の6の14)が10月13日(日)と14日(月)に本開帳され、薬師如来と日光・月光菩薩が公開される(午前9時から午後4時まで)。33年に1度の公開とあって地元では入念な準備を進めてきた。
上矢部薬師堂は、江戸時代中期の1780年に建立された。建立者は不明とされるが、建立地は武蔵七党の一つ、横山党の矢部氏の裏鬼門にあたるといわれている。本堂に安置されてる「薬師如来」は病や苦しみを癒し、心身の健康を守る仏として古くから信仰されきた。
本開帳の際には薬師の手から五色の布を引き出し、薬師堂の前に建てられた角柱の塔婆に結びつけるという。この布は触ることで安産や魔除けになるといわれている。また、地域の人たちが健康を願って作成した千羽鶴一対もお堂に飾られるほか、御朱印やお札も出される。
後継者不足が課題
本開帳の準備は今年春から、氏子と自治会役員64人で構成された「薬師如来本開帳運営委員会」が進めてきた。
本開帳を迎えるにあたり、運営委員会は市に依頼して仏像や仏堂などの調査を行った。運営委員長は「淡々といつも通りに準備を進めることもできたけれど、時には立ち止まって考えることも大事」と話した。
一方で運営委員は現在60〜70代の人が多く、後継者不足が課題になっている。運営委員長は「薬師堂は地域の人たちが集まり交流する場所でもある。今後もやってくれる人がいればいい」と話した。