社会について知って学ぼう!
川崎市市制100周年記念事業の一環として行われる「子どもの力で川崎の未来をかえるプロジェクト」。次の100年を担う子どもたちが「ミニたまゆり」「共創子ども会議」「世界こども地域合衆国サミット」に参加することで、社会の仕組みやルール、経済などについて学べる企画です。
- 今回の企画を主催する田園調布学園大学子ども未来学部(麻生区)の番匠一雅教授に話を聞きました。番匠教授らはこのプロジェクトで一般社団法人デジタル田園都市国家構想応援団及び一般社団法人SDGS INNOVATION HUBが主催する、様々なジャンルで地域のデジタル変革を推進するDXプレイヤーを称える祭典「JAPAN DX Player Aword2024」で最優秀賞を受賞しました。
「ミニたまゆり」(こどものまち)は、まちづくり体験の場!!
「こどものまち」は、1979年に西ドイツのミュンヘン市で始まった、子どもが労働・納税・消費を行いながらまちづくりを行う活動です。
田園調布学園大学が2005年から開催しているこどものまち「ミニたまゆり」。 ミニたまゆりでは、川崎市にゆかりがある企業・団体の仕事が体験できるほか、納税制度や市議会、裁判など、実社会と同じようなまちを維持するための仕組みを体験できます。
期間中は子どもたちが力を合わせて小さなまちを作り、自分たちが考えたルールの中でまちを運営します。自分が住んでいるまちについての理解と郷土愛を育むことが狙いで、昨年度は延べ560人の地域住民が参加するイベントに成長しました。
2024年のミニたまゆりは11月16日(土)と17日(日)
2024年のミニたまゆりは11月16日(土)と17日(日)の両日、午前10時から午後4時まで開催されます。
まちには麻生警察署や川崎西税務署、新百合ヶ丘総合病院、城南信用金庫、かわさきマイスターなど23団体が出展し、参加した子どもたちは警察官や法人税調査官、看護師、銀行員などの仕事に取り組みます。仕事を終えた子どもたちには、模擬通貨で給料が支払われ、納税や消費などお金の働きについても体験できます。
子どもたちの仕事は学生らがサポート
同大の学生120人と教職員30人はあくまでサポート役として、子どもたちの仕事の様子を見守ります。
学生たちは、計画・準備・資金調達・子ども会議の開催・広告宣伝活動・開催後の成果分析・報告などを担います。ミニたまゆり学生委員会委員長の大塚 剣斗さん(人間福祉学部 2年)は「子どもたちが仕事を体験しやすい場を作るために全力で支えます。こどものまちは、実際の社会を縮図化したものなので、子どもならではの解釈で自分たちが住んでいるまちの仕組みを理解してもらえたら」と期待を寄せています。
定員は各日800人
- まちの住民になれるのは、5歳から15歳までの子どもです。
- イベントの見学は自由ですが、参加するには11月10日(日)までに専用フォーム(https://minitama.jp/yoyaku.html)からの申し込みが必要となります。
- 定員は各日800人で、定員に達した場合は申し込みフォームは閉じられます。
- 参加費一日500円を「市民登録所」で支払うと、500ユリ―(まちのお金)が渡される仕組みです。保護者も参加費500円でまちの生活を体験することができます。
「共創子ども会議」で準備しました!!
「ミニたまゆり」の実現に向けては、6月から10月にかけて月に1回のペースで会議を開催しました。
子どもたちは新しいまちのルールやお店を考えたり、料理や接客の練習、イベントに必要な準備を行いました。毎回40人ほどの子どもたちが参加し、子ども独自の斬新なアイデアを出し合いました。
子ども会議の中から誕生した企画のひとつが「【メタバース×リアル】謎解きツアー」です。これは川崎市7区の名所や特色に関する謎解きゲームです。サイト(https://vma-web.hexa.virtual-space-market.com/user/event/vmp202406001/detail)にアクセスし、メタバース(コンピューター内の仮想空間)で展開されるクイズに答えると、「ミニたまゆり」で使えるクーポンがもらえる楽しみも。
ドイツ代表招きサミット、議員へ提言も
11月17日には、日本全国やドイツ・ミュンヘンの「こどものまち」の代表を招いて、「第2回世界こども地域合衆国サミット」を開催します。日本初となる「子どもの権利に関する条例」が施行され、子どもの権利に関する先進地域である川崎市がホストとなり、「こどものまち」の取り組みが、実際の社会とどのようにつながっていくか、未来を創るためにどんなことができるかについて話し合います。
会議には地元選出の議員や副市長も参加し、子どもたちと同じ立場で議論を行います。7月の選挙で子ども市長となった高橋諒さん(栗木台小5年)は「ミニたまゆりの一番いいところは、大人や大学生が真剣に子どもの意見を聞いてくれて、それを実現するための手助けをしてくれるところです。子どもの意見に耳を傾けてくれる機会はなかなかないので、いろんなことに挑戦できてとてもうれしいです」とやりがいを話します。
本番に向け、番匠教授は「知らない仕事は夢を見ることすらできない。まちづくり体験を通じて、労働の喜びやお金の大切さなどを楽しみながら学んでもらいたい」と多くの子どもたちの参加を呼びかけています。