小田原市板橋の「山田クリニック」院長の山田洋介さん(81)がこのほど、愛犬の救命体験を基にした絵本『奇跡のリレー』を刊行した。
絵本は山田さんの愛犬ホームズ君が、2024年9月に突然体調を崩した際の実話に基づいて描かれている。医師としての経験や、かかりつけの動物病院など周囲の迅速な連携を生かして、ホームズ君の一命を取り留めることに成功。「この感動を形にして伝えたい」との強い思いから、初めての絵本制作に踏み切った。
文章と絵は山田さん自身が手掛け、JULA出版局(東京都)が編集協力。昨年冬から制作を開始し、診察や勉強会の合間を縫って執筆を進めた。「早く書き上げたくてとにかく夢中だった」と当時を振り返る。

元気に散歩するホームズ君
ホームズ君の体調はその後順調に回復し、もうすぐ2歳を迎えるという。「とても元気でやんちゃ盛りだが、とにかく生きてくれて良かった。いてくれるだけでホッとする」と山田さん。「戦争で当たり前のように命が奪われている中、1匹の犬の命を助けることができたのはまさしく奇跡のリレーのおかげ。絵本を通して命の重みを感じてほしい」と込めたメッセージを語った。
絵本はA5変型サイズで32ページ、価格は1650円(税込)。平井書店と山田クリニックで購入できる。