日本三薬師の一つ、伊勢原市日向の日向山宝城坊(日向薬師 内藤京介住職・日向1644)でこのほど、新たな梵字御守りが完成。御守りはかつて同地区で採掘されていた日向石を使ったもので、「日向石薬師如来梵字御守り」と名付けられ、12月15日(月)から授与が開始されます。
日向石で地域活性化
日向石は江戸時代初期から日向の地で採掘され、軟質で加工がしやすかったことから、かつて寺社仏閣はもとより、かまどなど庶民の生活用品などにも用いられ、人々の生活を支えてきました。
そうした50年前まで地元の産業であった日向石を復活させ、地域を活性化しようと活動するのが、日向石復興プロジェクト「Sunny―on」(成瀬善之、荻野貴文代表)」だ。
現存する日向石を活かし、再び生活に取り入れてもらうために、市民参加型イベントの開催など様々な活動を展開しています。そうした活動に賛同した内藤住職が同プロジェクトの提案を受け入れたことで御守りづくりが実現。両者が意見を出し合って、地域の特産品である日向石を使った「唯一無二」の御守りが完成した。製作に関わったSunny―onの秋山直敏さんは石材業に従事、「地元の日向石を使って地域を活性化したいという思いで、提案させて頂きました。伊勢原市内だけでなく遠方からも訪れる多くの人々に、日向石の存在を知ってもらえればうれしい」と話します。
御守りは、丸く削った日向石に、サンドブラスト加工を施して薬師如来を表す梵字が彫られたもの。裏面には「日向薬師」の名前が印刷されています。文字のカットなどすべて手作業で行うため、一つひとつ仕上がりが異なることも魅力の一つになっています。
内藤住職によれば境内には、本堂の基礎をはじめ石造物などさまざなが部分に日向石が使われていることから、古くから日向の地に根づき、人々の生活に密着していたことがうかがい知れるといいます。「日向の地を育んで来た豊かな大地の力と、お薬師様の力が合わさったご利益のある御守りになっている」と話します。
薬師如来梵字御守りは、日向薬師本堂内の寺務所で2800円で授与されます。

御守りには住職の言葉も添えられている











