10月に関東地方を襲った台風19号は、箱根町の町民生活や観光に大きな影響を与えた。その後、町民をはじめ多くの人たちの努力で復旧は進み、本来の姿を取り戻しつつある。
11月9日の芦ノ湖周辺は、観光客でにぎわいを見せていた。埼玉県から車で来たという家族連れは「道路事情が心配でしたが、問題なく来られました」と観光を楽しんだ。関所近くの「箱根関所の茶や」の後藤正道さんは「台風直後は酷い状況でしたが、今は大丈夫です」と安堵の表情を浮かべた。
箱根町、箱根町観光協会(箱根DMO)によると11月12日現在、通行止めの道路は国道138号線の碓氷洞門から小塚入口、県道736号の長尾ずい道から国道138号線交点、県道737号(湖畔沿いやすらぎの森付近)の3カ所。
温泉は、町内の全旅館・ホテル265軒のうち、本来の温泉の供給が止まっているのは仙石原の一部の38軒。湯本、宮ノ下、芦ノ湖、強羅地域は平常通りの温泉供給ならびに提供ができている。また、供給が止まっている地域でも、自家源泉の所有、他の源泉から供給を受けている施設もあり、利用客への提供ができない施設はないという。
復旧の見通しが立たない箱根登山鉄道の代わりに、代行バスや臨時バスを運行(ともに1時間に1〜2本)。ロープウエイ、ケーブルカーは通常通り運行している。
町内24カ所のハイキングコースは、一部を除きほぼ通行可能。箱根町では「たくさんのお客様をお迎えできるよう取り組んでいます」としている。