新型コロナウイルス感染拡大への懸念から利用者が減少している地元飲食店を応援しようと、有志がデリバリーやテイクアウトの情報を集約しWEBで発信し始めた。主なサイトとして「八王子お弁当カタログ」(フェイスブック)と「ハチオウジ イーツ」がある。どちらも市内の飲食店を対象に紹介しており、オーナーは掲載料などがかからない。
「好きな店残したい」
八幡町で眼鏡店を営む高倉一郎さんは、先月29日からフェイスブックのグループ「八王子お弁当カタログ」をスタートした。登録した飲食店が自店のメニューなどを投稿する形式だ。
「本来なら予約がないと入れない地元の一流店の料理が弁当で食べられるなんてすごいと思いませんか」。コロナの影響で新たにテイクアウトやデリバリーを始めた店が増えたことから、高倉さんは「週に一度の贅沢」としてお弁当を食べるように。その魅力を多くの人に知ってほしくて立ち上げた。メンバー数は400人以上。約70の店舗が参加している(4月10日現在)。「自分の好きな店になくなってほしくない。飲食店は町の生命力」
独自の配達文化を
4月7日からスタートした「ハチオウジ イーツ」(https://www.hachioji-eats.com/)は登録した飲食店のメニューや店舗情報が掲載されているもの。発起人の高井智治さんは「ネットで『八王子 デリバリー』と検索してもチェーン店が多く、魅力あふれる個人店はなかなかヒットしない」と立ち上げたきっかけを話す。
高井さんは障害者福祉サービス団体の代表理事をしており、「街の活気がなくなると、巡り巡って私たちにも影響する」と危惧する。「自粛ムードだからこそ、飲食店ではなく私のような外部の人間が運営する必要があった」。掲載申し込みは47件あり、順次掲載していくという(同日現在)。「サイト上に載ることで店舗同士お互いの情報交換にもなる。独自のデリバリー文化ができれば」と期待する。
「お弁当カタログ」を利用している中華料理店・東華飯店(明神町)を営む顧興芳(こうしんほう)さんは「今できることの1つはテイクアウト。色々な方法で知ってもらえるのはとてもありがたい」と話した。