京浜急行川崎駅から大師線沿いすぐに、「お閻魔(えんま)さま」の名前で親しまれる一行寺(いちぎょうじ)はあります。
一行寺は川崎が東海道五十三次の宿場町として繁栄した寛永8年(1631年)、顕譽円超上人によって開かれた浄土宗のお寺です。川崎のにぎやかな街並みの中にありながら、大銀杏をはじめ緑あふれる境内は静かにそして穏やかに心をなごませてくれる空間です。
法然上人のお念仏を人から人へ伝えます
浄土宗は法然上人により承安5年(1175年)に開宗され、ご本尊は阿弥陀如来です。阿弥陀如来の平等の慈悲を信じ、「南無阿弥陀仏」と、み名を称えて高め、社会のためにつくし、明るい安らかな毎日を送り、浄土に生まれることを願う信仰です。
お閻魔さまのご開帳
- 一行寺は毎年1月の第2日曜日と7月16日に閻魔大王像を特別公開しています(※)。
江戸時代に始まった閻魔大王像は戦争で焼失し、公開は一時中断しましたが、昭和58年(1983年)に本堂、客殿の新築に合わせ新たな閻魔像が作られ復活しました。同時に地獄極楽変相図も公開され、絵解きなども行われます。毎年1月の縁日は新宿青年会及び有志の人たちの協力もあり、多くの参拝の人々で賑わいます。
※2020年7月16日と2021年の1月10日は新型コロナウイルスの影響で中止。2021年7月16日は未定。
境内のお墓にも注目
境内に目を移すと、富士講の大先達として幕末に宗教活動を展開した西川満翁や、川崎宿で寺子屋「玉淵堂」(後の川崎小学校)を開き、太田南畝と交誼があった能書家の浅井忠良の墓があります。
阿弥陀如来永代供養霊廟
一行寺にはお墓を建てたいが継承者がいない、子どもがいても後々の負担をかけたくないといった没後の不安や心配を抱える人のために、永代供養霊廟があります。
過去の宗教は問わず、33回忌までは中央納骨室に個別に安置されます。その後は前部合祀室に埋葬され、引き続き永代にわたって供養されます。なお、境内墓地もあります。詳しくは電話か直接お問い合わせを。