横須賀市を拠点に湘南地域でガソリンスタンドENEOSなどを運営する湘南菱油株式会社(大庭大代表取締役社長)が6月8日、横須賀市消防局と合同で大規模な防災訓練を行いました。
日の出町のスタンドを舞台にスタンドの営業を一時ストップさせ、社を挙げてのおよそ3時間に及ぶ、力の入った訓練。その様子をお伝えします。
創業以来「事故ゼロ」、それでも慢心せず
およそ70年の歴史を有する老舗企業で、創業以来ガソリンスタンドでの事故発生件数は無し。しかし大庭社長は「我々は常に危険と隣り合わせ。訓練を通じてリスクを自分事としてリアルな気持ちで体験し、現場に戻った時に有事を想定しながら日々の業務にあたって欲しい」と実施の意義を語っていました。
当日は各スタンドの現場責任者や新入社員のほか、横須賀消防署から署長をはじめ、多くの署員が参加しました。
冒頭の講義ではガソリンスタンドの下に配備されている燃料タンクにまつわる事故や予防策としての点検ポイントなどを署員がレクチャー。実地訓練では持ち運べる消火器の操作訓練や、ガソリンスタンドの給油機下に配備されている消火設備のデモンストレーション、実物のタンクローリーを用いて出火した想定で行われた避難誘導訓練など、本番さながらの緊迫感が張り詰める中で訓練が行われました。
参加者の一人で現場マネージャーの千葉照国さんは「6年前に行った合同訓練にも参加しており、訓練の流れは覚えていた。その時の訓練のおかげで実際にスタンドで事故を未然に防げた経験もあり、今回の内容もスタンドのスタッフにしっかりと伝えたい」と話していました。
大庭社長は「実際に体験し、知っておくだけでも有事の際のスタッフの対応が変わってくる。エネルギーを通して地域の人たちの心を豊かにするため、安全安心の場所づくりは事業者としての責任」と語っていました。
▼給油機下から消火剤が放出される動画はこちら