金程町会(伊藤久史会長)は12月11日、地元の川崎市立金程中学校とオンラインで懇親会を開催した。2021年度から市の補助金を活用し、デジタル化を進めている同町会。コロナ禍で、会員や地域との交流が減少する中、新たな取り組みとしてオンライン会議ツール「Zoom」を使って、会員が中学生たちと交流を深めた。
500年以上前からの村名が残る金程。昔は山・畑・田んぼに囲まれ、民家は12軒しかなかったという。1981年から宅地開発が始まり、人口が増加。87年に町会が発足し、現在は710世帯が加入する。
同町会では、コロナ禍で例年行っていたイベントなどの活動ができなかったことから、インターネットなどを使った新しいコミュニケーションの形を模索するため、今年から「KST(金程スマートタウン構想)」を立ち上げた。今年度、麻生区の「町内会事業提案制度」に認定され、他町内会が取り組んでいた「Zoom」を使った役員会などを視察し、オンラインの導入を検討していた。
先月には、Zoomで役員会を実施。町会の老人会「永久の会」を中心にZoomの講習会も10回ほど行ってきた。今回、金程中学校とのオンライン懇親会を企画した。
当日は、オンラインで18人が参加し、金程会館にも10人が集まるハイブリッド型で開催。同会館に高座を設け、立川志らく一門の立川志らぴーさんを招き、落語を配信した。その後、金程中学校とつなぎ、同校生徒会メンバーが写真を使って学校行事や部活などを紹介。今年、東関東のコンクールや、マーチングの東関東大会に出場した吹奏楽部の演奏動画も視聴した。最後に、町会から学校生活についてや、町会に求めることなどを質問し、交流を深めた。
伊藤会長は「途中、音声トラブルなどバタバタしたが、実施できたことが成功」と手応えを感じたようす。続けて「今回の懇親会で出た反省を一つひとつクリアして、これから充実したコミュニケーションにつなげていきたい。中学校だけでなく、町内にある小学校や高校とも実施できたら」と期待を寄せた。