横須賀市役所地下1階で運営している「横須賀セントラルキッチン」が、店舗開設を志す料理人などに事業展開を試す場所を提供する「トライアルキッチン」を始める。第一弾はハンバーグの専門店で1月11日(火)にオープン。独立開業を目指す事業者を後押しし、地場食材の活用も発信していく。
「横須賀セントラルキッチン」は2020年3月にオープン。有限会社たのし屋本舗(下澤敏也代表)が運営し、店内に、未利用食材などを加工する機材や大型の調理機器を備えた工場機能を有していることが特徴だ。現在は、地場食材の加工品や野菜の販売、ランチも営業している。
第一弾はハンバーグ店
「トライアルキッチン」を始めるにあたって、「この場所を自社で使うだけでなく、スタートアップにも活用させたかった」と語る下澤代表。同店が取り扱う地場野菜との掛け合わせで、魅力ある飲食店を増やして横須賀の「食」を盛り上げたいという思いもある。
第一弾の店舗は、「ハンバーグと釜焚きご飯 銀米衛」。代表の正木裕久さんは、横浜市内で海鮮を中心とした居酒屋を長年営んできた。「トライアル」への挑戦理由はコロナ禍だ。飲食店の業態を見直す中で「『食』のトレンドがシフトしている」と考え、新たな店舗展開を模索。半年近くプランを練っていた。出店の決め手は「通常の飲食店にはない多様な大型調理機材があること。調理の時間短縮や提供スピード、オペレーションなどを試すことができる」と正木さん。メニューのニーズ調査だけでなく、ここでのノウハウを積み重ねて、今後の店舗展開を考えていく。
「市役所内なので、職員の利用が多いと思う。お昼の休憩時間を食で豊かにしたい」と考えた提供メニューは、4種類ソースが選べるハンバーグ(税込1000円から)。付け合わせは彩り良い地野菜だ。「生産者と距離が近いのが横須賀の魅力。これを発信する後押しにもなれば」と話す。「店舗内出店」という形で、ひとまず数カ月間の営業。市役所開庁日の午前11時30分から午後3時で、店内では、加工品や野菜の販売も引き続き行う。