世の中にこんな物があったら便利じゃないだろうか…もしかしたらこれは、大発明かも――。そんな思いを抱いたことはきっと、誰にも心当たりがあるのではないでしょうか。
しかし実際に、行動に移したことのある人はおそらくその一部にとどまるのでは。今回は、そんな発明に挑戦し続けている、ある男性の話をご紹介します。
その人とは、横浜市港南区に暮らす林伸行さん(53歳)。妻と一人息子と暮らす林さんは元々市の職員として働き、マラソンを趣味にしていました。職場の仲間との実業団駅伝を中心に、各地のマラソン大会にも出場し、2015年の大島でのカメリアマラソン(10㎞)では40分11秒のタイムで40代の部で3位に入ったこともあるほど。
そんな林さんはある時、ランニング仲間との練習後にスーパー銭湯へ。汗を流してドライヤーで髪を乾かしたあと、クシがないことに気が付きました。
「ランニングの時はいつもサングラスをもっているから、この部分がクシだったら…」
とアイデアが閃いたそうです。ちょうど体調を崩して前職を辞める時期だった林さんは
「これで特許をとってライセンスで収益化ができれば…」
と思い至ったといいます。そこから行動力あふれる林さんの挑戦が始まります。
【ミッション1 特許を取得せよ】
まずは特許事務所に相談へ。
「特許申請にはお金も時間もかかるため、商品化できそうもないものは申請しないほうがよい」
と説明を受けた上、「可能性はないとはいえません」との後押しを受けた林さん。申請についての助言を受けながら、並行して自らも制作を開始しました。まずは100円ショップでサングラスを買ってきて自らのこぎりで加工。
「…む、むずかしい」。
続いて、3Dプリンターでイメージ通りの形を成型。
「…表面がざらざらしてしまう」。
とトライアンドエラーを繰り返しました。
そんなこんなのうち、事務所への相談から約1年後に特許を無事に取得。あわせて申請していた意匠登録も完了しました。
【ミッション2 製品化せよ】
取得した特許をもとに林さんは眼鏡メーカーなどに「ぜひ製品化を」と連絡をとりました。しかしこれが思った以上に難航。数十社にアンケートを送るも厳しい意見が返ってくるばかり。唯一協力的だったメーカーも、コロナの影響で実現には至りませんでした。
林さんは方向転換を図りました。
「まずはライセンスフリーで商品化をめざそう。まずは知名度をあげないと」
そこからはさまざまなSNSを活用。
YouTubeにも動画をあげ
またメルカリでも知名度アップのために手づくり品の販売を開始。
https://jp.mercari.com/item/m46874528064
かの発明王、トーマス・エジソンはいいました。
「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。」
- 林さんの挑戦は始まったばかりです。メーカー関係者の方など、ぜひご一報を。