逗子市の池田通りにあるBREATHER COFFEE(ブリーザーコーヒー、逗子7の6の33、塩沢ビル1階)が、漏水損害で窮地に立たされている。店内が水浸しになり長期休業が避けられないほか、高価な機材の修理や買い替え、改装費用が重くのしかかる。特殊な事情により、保険や賠償も当てにならない状況で、店主らは「皆さんの力をお借りしたい」と話している。
天井から大量の水
同店は2018年、コーヒー文化が盛んなオーストラリア・メルボルンで修業した長谷川晃平さんと、妻の瑞穂さんがオープン。「現地と雰囲気が似ていて気に入った」と住まいも市内に定め、一躍人気のカフェとなった。漏水が判明したのは5月25日の朝。スタッフの高見澤肇さんが開店準備をしようと店舗に入ると、バケツをひっくり返したように天井から水が流れ落ちていた。
店内はすべて水浸しになり、400万円で購入した焙煎機や、200万円のエスプレッソマシーンなどもずぶ濡れに。「衛生的にこのまま使うことはできない。分解して修理に出すか、買い替えるかしかない」と長谷川さんは沈痛な面持ちで語る。さらに、長谷川さんたちの過失はないが、家主や建物など様々な事情から保証や賠償を得ることが難しい状況。濡れた内装、機器等をすべてきれいに、新しくするには損害額は数千万にのぼる。
折しも、2人の間には第1子が2カ月前に生まれたばかり。収入も途絶え、先行きに不安が募るばかりだが、「これまで育ててくれた逗子を離れるつもりはない」と同じ場所での営業再開を目標に据えた。
7月からクラウドファンディングをスタート。「申し訳ない気持ちでいっぱいだが、今は皆さんの助けがないとどうにもならない状況。いただいたご恩は必ず返すので、ご支援いただけたら」と3人は呼び掛けている。詳細は同店インスタグラムアカウントへ。