来館客から長年親しまれてきた、新江ノ島水族館=片瀬海岸=のイルカショーが11年ぶりに刷新する。東日本大震災以来「絆」をテーマに掲げ、コロナによる休止以降だけでも公演は2千回超えを重ねた。16日からは「波」をテーマにイルカの個性を全面に出したショーに生まれ変わる。同館関係者は「人とイルカの絆をより深め、皆様に一層の笑顔と元気を届けたい」と話している。
5日、ショーが始まると、アシカがトリーター(飼育員)とハイタッチ、イルカが水面から勢いよくジャンプし、水しぶきを上げると観客から拍手が沸き起こった。
イルカ・アシカショーは
イルカ・アシカショー「きずな/kizuna」は2004年に開館した同館きっての長寿企画。11年の震災で多くの人が犠牲になり、絆の大切さが問われるなか、「水族館として出来ることは何か」と企画したのが始まりだった。
トリーターとアシカ、イルカの息の合った演技。両者の「絆」に加え、動物の気持ちを言葉にして進行することで観客に動物を身近に感じさせ、より会場の一体感を高める演出に替えた。同館広報の播磨千絵さんは「命の素晴らしさを伝えることを大切にしてきた当館の象徴的なショー。長くやってこられたのはお客様あってのこと」と話す。
新イルカショー 7月16日から
16日からは新イルカショー「Wave〜きみの波になりたい」がスタートする。トリーターがイルカと一頭ずつ向き合ってやりたいことを読み取り、体をなでたりホースで水をかけるなど触れ合う時間を増やしたのが特徴という。
トリーターの羽田秀人さんは「『きずな/kizuna』の思いを深め継承していくショー。元気で楽しそうなイルカの姿を見てほしい」と意気込んだ