宮前区役所向丘出張所に7月13日、約３００冊の本を自由に読み、借りることができる図書コーナーが新設された。同出張所では、機能の充実に向けた取り組みを進めており、２０２２年度中に館内を木質化する工事も控える。

児童書約１７０冊と一般書約１３０冊を配架

　配架された書籍は、児童書約１７０冊と一般書約１３０冊。市民から寄贈された本を活用し、宮前図書館の協力により利用状況を踏まえて蔵書の入れ替えや追加を行っていく予定。平日午前９時から午後５時まで利用可能で、窓口で氏名や電話番号などを記入することで１回３冊、２週間まで借りられる。予約不可。

　２０２２年２月に策定された「宮前区役所向丘出張所の今後の活用に関する方針」に基づくもの。概要には、出張所での図書館などによる読み聞かせの試行、学びの場づくりなど、本を通じた支援や交流の場づくりなどが盛り込まれている。市民からの要望に応えたもので、担当者は「地域の方が使いやすいコーナーを作っていきたい」と利用を呼びかけている。

木質化も

　同出張所は１９７８年に高津区役所向丘出張所として建てられた。現在は交流の場を目指し、コミュニティカフェ「むかおかフェ」やロビーコンサート、暦に合わせた展示「むかお暦」、子育てサロン「ひよっこ向丘」、市民館出張講座などのイベントを開催。多世代が気軽に立ち寄り、人や活動がつながる、向丘地区の核を目指している。

　今後は、市の「公共施設木質化リノベーション事業」により、建物の１階を２０２３年３月までにリニューアル予定。内装や家具に国産木材を使用するなど木質化し、木のぬくもりが感じられる明るい空間を作り出す計画だ。小松崎紀仁同出張所所長は「市民活動がより活発になるよう、出張所を多くの人が集うコミュニティスペースにしていきたい。たくさんの人に活用していただければ」と思いを語った。

　区全体に対する向丘地区の人口割合は21年６月時点で29・７％。区は30年に高齢化率が市内７区で最も高くなる見込み。