桜が丘在住の中世史研究家・鈴木かほるさんが著書『幻の鎌倉執権三浦氏 関白九条道家凋落の裏側』を上梓した=写真。
25年前に「郷土史研究家」として歩み始めた鈴木さん。「三浦一族研究会」にも発足当時から携わってきた。これまでに三浦一族のみならず、横須賀にゆかりの深い三浦按針や坂本龍馬の妻・お龍さんなどを題材に、独自の研究を基に著書を発行してきた。現在はより広い歴史観で「中世史研究家」として研究と執筆活動を続けている。
今回の著書は前作「相模三浦一族とその周辺史 その発祥から江戸期まで」の続編。鎌倉幕府で執権として活躍した北条氏を凌ぐほどの勢力を有しながらも滅びた三浦一族に対し、前作の執筆の際に新たに抱いた疑問を基にさらに研究を重ね、史料を読み解いて独自にたどり着いた三浦一族の本来の姿を発表。一般的に知られていない政治や文化、外交面での功績をテーマごとに解説し、幻に終わった「執権・三浦氏」の構想やその目指した社会制度、滅亡へ至った経緯などが綴られている。「源氏に尽くした筆頭御家人の三浦氏。偉大さと合わせ、郷土・横須賀の偉人の存在をより知ってもらえれば」と鈴木さん。
A5判216ページ、4千800円(税別)。文教堂横須賀モアーズ店のほか、アマゾン等でも購入可。